@article{oai:kokubunken.repo.nii.ac.jp:00000759, author = {大野, 順子 and OHNO, Junko}, issue = {39}, journal = {国文学研究資料館紀要, National Institure of Japanese Literature}, month = {Mar}, note = {pdf, 藤原良経主催の『六百番歌合』(建久三年給題)は、旧風の六条藤家歌人と新風の御子左家系統の歌人との間に歌論上の激しい対立をもたらした歌合として夙に知られている。これはまた、新古今時代の前夜にあたる時期に和歌界を領導した九条家歌壇における最大の盛儀とも位置づけられ、新風台頭期の詠風を分析する上で重要視されている。 良経の百首についても、主催者・給題者という立場にあることから歌題との関わりについて論じられた他、新古今時代の主要な技法である本歌取りに繋がるとして先行作品摂取の方法に関することが取り上げられるなど、様々な面からの立論がなされている。本稿はこれらのうち、先行作品摂取の方法に関する研究に連なるものである。その中でも特に、これまであまり取りあげられてこなかった和歌の隣接領域に位置する作品を取り込んでいこうとしていた良経のあり方について論じた。 本百首の良経詠に見られる当代的な性格については、同時代歌人の詠を積極的に取り入れた作品作りが志向されていることがすでに指摘されている。しかしながら本百首を丹念に見渡していくと、あからさまな取り入れ方ではないものの、今様や短連歌といった和歌に隣接する領域の作品からも影響を受けていたあとが見られた。今様の詞章にみられ且つその興隆期以降に和歌へと取り込まれた語彙が作品に取り入れられていた他、句の「型」を取るという短連歌に多用される先行作品摂取の方法(詳しくは、拙稿「源俊頼の和歌と短連歌」[『国文学研究資料館紀要 文学研究篇』第三十七号、平成二十三年二月]を参照)が用いられていたのである。このように、本来であれば和歌よりも一段低く見られていた隣接領域の作品をも利用して先行作品摂取の自由度を拡大していたことは、新古今時代における本歌取りへの道筋を考えるうえで見過ごすことができない要素と言えよう。 This paper is intended to be discussed FUJIWARA no Yoshitsune ‘s set of one hundred poems of “roppyakubanuta-awase” (The Poetry Match in 600 Rounds held by Yoshitsune in 1192). His waka poems at this time had been made under the influence of ‘tan-renga’ and ‘imayo’. He is one of the most excellent poets in the age of Shinkokin. Therefore, it is possible to analyze his poems in the Kenkyu period, in order to understand the poetic style of Shinkokin period is important.}, pages = {119--154}, title = {藤原良経『六百番歌合』について ―先行作品摂取を中心に―}, year = {2013}, yomi = {オオノ, ジュンコ} }