Permalink : http://doi.org/10.24619/00004067
『いさよひの日記聞書』――近世『十六夜日記』受容の様相――
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『いさよひの日記聞書』――近世『十六夜日記』受容の様相―― |
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JaLC DOI | info:doi/10.24619/00004067 |
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アイテムタイプ | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper |
言語 | 日本語 |
キーワード |
阿仏尼, 十六夜日記, 注釈 |
著者 |
幾浦 裕之
/ イクウラ ヒロユキ
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抄録 |
『十六夜日記』は、岩佐美代子によって九条家旧蔵本(江戸初期写)が古態を示す最善本であることが論証された。しかし『十六夜日記』が多くの読者を獲得し、日記・紀行の名作としての地位を確立した近世において、流布本本文には依然として受容史上尊重するべきものがある。流布本本文成立については不明な点が多い。近世の『十六夜日記』の注釈としては、文政七年(一八二四)の小山田与清『十六夜日記残月抄』がある。一方で、正徳二年(一七一二)を成立の下限とする多和文庫蔵『十六夜日記』、その親本の北海学園大学北駕文庫蔵『いさよひ日記』という、注釈のある『十六夜日記』の伝本があり、松原一義による紹介、翻刻がある。これらは静嘉堂文庫蔵『伊佐宵記』に近似した本文をもつとされる。近年、小川寿一旧蔵本で巻末の識語に「寛文十三年」(一六七三)の年次をもつ『いさよひの日記聞書』(内題。外題は『阿佛道之記』)が早稲田大学図書館に収蔵された。北駕文庫蔵本と同じ注釈であるが、注に異同や増減がみられる。九条家旧蔵本、松平文庫本、静嘉堂文庫本にしかない熱田宮奉献歌の五首目を有し、「この哥一首板の本に落たり」と注にある。万治二年(一六五九)の製版本『十六夜日記』が参照されていることが判明する。ほかにも『伊勢物語集注』(慶安五年刊)に載る和歌が引用されるなど、注の成立にあたっては様々な書物が参照され、十七世紀の『十六夜日記』受容の様相を伝えている
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雑誌名 | 国文学研究資料館紀要 文学研究篇 |
号 | 46 |
ページ | 71 - 117 |
発行年 | 2020-03-16 |
出版者 |
国文学研究資料館
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ISSN |
1880-2230
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関連サイト |
幾浦 裕之
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フォーマット |
pdf
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